シークレット




「はい」


貰いたての給料から
10万を梓に手渡す。



「ほんと悪いな。
 絶対後で返すから」


手渡された封筒を
申し訳なさそうに見る。



「返さなくていいよ。
 その代わり、
 今度お母さんに会わせてね」


「いいのかよ。それだけで」




「会ってみたいの」



確かに
10万円は私にとってすごい大金。


毎週学校帰りに疲れながらバイトして‥

でも、
梓のお母さんには元気になってほしいから。




             
< 43 / 123 >

この作品をシェア

pagetop