シークレット




手術当日、
朝早くから手術が始まった。


私が病院に着くと
すでに梓が手術室の前で待っていた。



私は梓から
少し距離を置いて座ると
ずっと手を組んでいた。


「来てくれてありがとな。
 今日駄目かもしれない……」



そんな弱気な梓を見るのは初めてだったし、
何て言ってあげたらいいのか
わからなかった...


手術は何時間も続き、
気付くと朝の5時になっていた。



そして
手術室の方に目をやると
手術中のマークは消えていた。



             
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