シークレット
神様は残酷だ。
私の祈りを
神様は受け取らなかった。
それ所か
耳も貸してはくれなかった。
これが運命だから
神様は何もしてくれないの?
「雫‥ごめんな…
手術費借りといて」
私の方は向かず、
俯いたまま謝ってきた。
「謝らないでよ…」
今一番辛いのは
梓なんだよ。
それっきり、
私たちは口を聞かなかった。
電気の消えた手術室の前、
感情を失ったかのように座り込む
私と梓。
背景は色をなくした。