シークレット
梓が来るまでは
ソファーで本を読んで待った。
6時頃‥
―…ピンポーン
と家の中に
チャイムが鳴り響いた。
ガチャ―‥
ドアを開けると
片手に小さなバックを持った、
制服姿の梓がいた。
「こんにちは」
そう緊張しながら
玄関の前に立ち尽くす、
梓にお母さんは優しく接した。
「いつまでもそんな所にいないで
中に入って。
今日から梓くんは家族なんだから」
「…はい、ありがとうございます」
梓はニコッと微笑み、一礼した。