シークレット
テーブルの空いている席に
梓が戸惑いながら座る。
私とお母さんと梓以外の席が
一つ空いているのを不思議に思ったのか
開いた席をじっと見つめる梓。
「あぁ…その席お父さん。
いつも残業してくるから帰るの11時になるの。」
「そっかぁ…忙しいんだな」
「どうせ食べて帰ってくると思うから
先食べちゃお★」
ケーキ用のナイフで
丸いショートケーキを丁寧に8等分にして
白いお皿に一つずつ取り分けた。