シークレット
初めての朝



時計の針は6時を指している。

昨日早く寝たから
こんな早く起きちゃったぁ…
誰か起きてないかな?


そう思いながら
寝起きでハネた髪のまま、
一階へ降りていった。

静けさに
時計の針だけが
確実に時間を刻んでいく。


リビングには誰もいない‥



トン―‥トン―‥


キッチンの方から
包丁で何かを切る音がする。

ゆっくりキッチンに近付く。



「あっ‥お母さん…
 こんな早くからどうしたの???」


びっくりして包丁が止まる。



             
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