粛清者-新撰組暗殺録-
虎徹は殿内の額を見事に斬り割る!

頭部に一撃を食らい、昏倒する殿内。

「総司、討て!」

近藤が叫んだ、その瞬間。

「うおあああああっ!」

掃除の刀の切っ先が、殿内の左手の小指から手首にかけてを切り裂いた。

それを食らった時には、殿内はもう橋の上に突っ伏してしまう寸前だった。

総司が息を荒くして顔を上げる。

その時には既に、他の隊士達によって殿内のとどめが刺されていた。

殿内の遺体はもう原型すら留めておらず、最早肉塊に過ぎなかった。

近藤以外は誰もが死に物狂いという表情で息を切らす。

怪我人こそいないものの、皆死力を尽くしたといった様相であった。

「総司」

近藤が彼の肩を叩く。

「…近藤さん…」

総司は肩を震わせながらも近藤の顔を見る。

「これが…人斬りなんですね…練武場で木刀片手に打ち合うのとは全く違う…これが本当の…殺し合いなんですね…」

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