粛清者-新撰組暗殺録-
秩が攻め疲れ、徐々に太刀筋が鈍ってきた頃。

「あ!」

総司は秩の刃を払いのけ、一気に踏み込んだ!

「くっ!」

秩は後方に飛んで再び間合いを取る。

油断すれば、あっという間に懐に入られてしまう。

流石は沖田総司、新撰組でも名の知れた剣客だけの事はある。

「…そろそろ終わりにしませんか?」

総司はまた屈託のない笑顔を見せた。

「いいわ、私も全力を出す」

秩はそう言って刀を白鞘に納める。

居合いの構えだった。

「……」

総司も黙って、この闘いで初めての構えを見せた。

刀を上段に構え、切っ先を秩に向ける。

刺突の構えだ。

刺突は殺人技。

決まれば木刀ですら人を殺す事が出来る。

…両者の間に緊張が高まった。

そして!

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