粛清者-新撰組暗殺録-
「けえええええっ!」

総司が突進してくると同時に、秩も動いた。

まるで獣の如き動きの速さで、秩との間合いを一気に詰めてくる総司。

まさに壬生の狼。

その牙に捉えられれば、確実に命はない。

総司の刺突が届く位置にまで来たその瞬間。

秩は白鞘より高速で刀を抜き放った!

我流とは思えない、紫電の速さの居合い抜き!

秩の抜刀と総司の刺突は両者の中央で激突し、互いの技を相殺した。

(互角か…!)

素早く次の攻撃に備えなければならない。

そう思った矢先。

(なにっ…?)

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