粛清者-新撰組暗殺録-
総司は一人新撰組屯所へと戻る。

…屯所に着く頃、門の前では斎藤が待っていた。

「沖田君ほどの男が、女一人の涙に絆されたのか?」

斎藤の言葉に、総司は彼をキッと睨む。

「盗み聞きしていたんですか…?」

「人聞きの悪い事を言うな…土方副長の命令だ」

斎藤は腕組みをして、目を閉じたまま薄く笑う。

「まあ構わんだろう…遅かれ早かれ『あの男』も粛清される運命にある…それが結果として、惚れた女の仇討ちになったとしてもな…」










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