粛清者-新撰組暗殺録-
「ぎゃあ!」

突然雨戸を貫いて三発の刺突が襲い掛かり、平山を串刺しにした!

「な!」

突然の闇夜の、しかも雨中の刺客に言葉を失う芹沢達。

そんな彼らの目の前に雨戸を突き破って現れたのは、副長の土方、そして総司を含めた新撰組隊士の面々だった。

「新撰組局長・芹沢鴨。京都守護職の密命により、お主を抹殺する…悪く思うなよ…」

「ほ…ほざけ!」

平間が枕元に置いてあった刀を掴み、素早く土方に斬りかかる!

しかしそれよりも更に速く。

「がっ!」

総司が居合いで平間の胴を薙いだ。

平間はそのままよろめいて、総司の後ろに立っていた隊士、藤堂平助の前に跪く。

「藤堂さん、そいつは任せます」

総司はそう言って刀を握り締めた。

「よし、他の者は女どもを斬れ。目撃者は一人も残すな」

土方の非情な命令で、隊士達は次々とその場にいた女達を斬っていった。

残るは芹沢のみ…。

土方はスラリと刀を抜き、芹沢に迫る。

が。

「芹沢さん」

土方よりも早く、総司が芹沢の前に立った。

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