粛清者-新撰組暗殺録-
文久三年九月二十六日深夜。
皆が寝静まった新撰組屯所内。
その闇の中を動く影があった。
影の名は、御倉伊勢武。
新撰組隊士である。
彼は他の隊士達にばれないように屯所を出ると、草履を履き、静かに門を潜ろうとした。
と。
「こんな夜更けにお出かけか」
声が聞こえ、御倉は動きを止める。
振り向くと、門にもたれ掛かって一人の男が腕組みしている。
「三番隊組長の…斎藤…」
「ほう…流石に各隊士の顔と名前は把握しているんだな…なかなか優秀な間者だ」
「か…間者ですって?」
御倉は動揺した面持ちで、それでも愛想笑いを浮かべた。
皆が寝静まった新撰組屯所内。
その闇の中を動く影があった。
影の名は、御倉伊勢武。
新撰組隊士である。
彼は他の隊士達にばれないように屯所を出ると、草履を履き、静かに門を潜ろうとした。
と。
「こんな夜更けにお出かけか」
声が聞こえ、御倉は動きを止める。
振り向くと、門にもたれ掛かって一人の男が腕組みしている。
「三番隊組長の…斎藤…」
「ほう…流石に各隊士の顔と名前は把握しているんだな…なかなか優秀な間者だ」
「か…間者ですって?」
御倉は動揺した面持ちで、それでも愛想笑いを浮かべた。