粛清者-新撰組暗殺録-
「さあ、雑談はここまでだ…やろうか、沖田君」

予想通り山南は刀を抜き、正眼に構えた。

「山南さん…僕は…」

総司は苦悩の表情で首を横に振る。

「僕には山南さんは斬れません…」

「ならば俺に斬られてくれるか?」

「それも…できません…」

…山南は構えた刀を下げ、溜息をついた。

「困った事を言うな、君は…」

「山南さん…」

今にも泣き出しそうな表情で、総司は言う。

「京都に…新撰組に戻ってください、山南さん。じゃないと明里さんが悲しみますよ」

「わかってないな、君は…」

山南はもう一度溜息をついた。

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