この世界で君を愛す
「正木…お前…阿部さんに変な事するなよ?」


僕が冗談を言うと 正木は顔を真っ赤にした。


「なっ何言ってるんですか!?俺はただ…」


「はいはい。わかってるよ。気をつけてな」


「もう…」


正木はブツブツ言いながら車に乗り込むと「じゃ また来まーす」と言って走り去った。


正木の車が見えなくなると 未知は僕の腕にくっついてきた。


「さっきの正木君…ちょっとカッコ良かったよね。もしかして阿部さんのこと…」


僕はニヤニヤしている未知の腰に腕を回した。


「どうだろう?正木の家も母子家庭だったからさ。気にはなるんじゃないかな」


「そうなんだ…」


「でも…正木が阿部さんを気にしてるのは当たってると思うよ」


「今度は振られないといいね」


「うん。今度は…ね?」




そして…僕達は部屋に戻った。




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