この世界で君を愛す
公園からの帰り道 私達はひまわりを見に行く相談をしながら歩いた。


「せっかくだからさ…キャンプしようよ」


「キャンプー?いいけど…道具とか必要なんじゃないの?」


すると渉はニヤリと笑った。


「あいつがいるでしょ?」


「あいつって…。正木君?」


「そう 正解!正木の奴…アウトドア大好き人間だからさ 誘ったら喜ぶよ」


その時 私の中で一つの企みが生まれた。


私は渉の腕を引っ張って言った。


「ねえねえ!じゃあさ…」


渉は頷きながら話を聞いていたが 私の頭をポンとたたいた。


「よし!正木のためだ!」


「でしょう?ますます楽しみになったよね」


私達は顔を見合わせると 声を出さずにクックッと笑った。




渉と一緒の目的に向かっていくって楽しいね。


それが自分たちの事じゃなくても。



二人で生きてるって感じがするよ。



今からだって…。


思い出はもっと…増えていくんだよ。


そうでしょう?



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