この世界で君を愛す
「そういえば…阿部さんの下の名前って何ておっしゃるんですか?すっかり阿部さんで定着しちゃってたから…」

私が笑うと阿部さんも笑って答えた。



「真奈美っていいます」



「真奈美さんですか…。じゃあこれからは真奈美さんって呼んでもいいですか?そのほうが仲良くなった気がしません?」


「もちろんです」



真奈美さんが花のような笑顔を見せた時 正木君が私達を…というか真奈美さんを呼んだ。


「おーい!真奈美さーん!テント完成しましたよ!」



…真奈美さん!?

正木君たらいつの間に。



「さっき車に乗ってる時に教えたんです」

真奈美さんはちょっと頬を赤らめていた。


正木君の気持が通じているかどうかはわからなかったけど。


とりあえず…正木君が迷惑がられていない様子に私はホッとしたのだった。



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