この世界で君を愛す
空が夕焼けに染まる頃 バーベキューを開始した。


ここでもまた正木君は才能を発揮してくれた。


野菜が苦手だという拓也に にんじんを食べさせることにも成功した。


みんながお腹がいっぱいになってくつろいでいると 急に正木君が言った。


「あれ?みなさん今日がもう終わったつもりになってませんか?」


みんなが注目すると正木君はよいしょ…と立ち上がった。


「せっかくこんな山の中に来たんですから。今日は天気もいいし きっと星がキレイですよ」


私達は まるでツアーコンダクターのような正木君の後をぞろぞろと着いて行った。


「この丘の上がいいんですよ」


電灯もない暗闇の中 カサカサという草の音を聞きながら 私達は丘の上に到着した。



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