この世界で君を愛す
未知が準備してくれた下駄を履いて 僕達はお祭りに出かけた。


歩く度に鳴る下駄の音が楽しい気持ちをさらにかきたてた。


僕達は手を繋いで歩き 未知は時々僕の顔を見上げると嬉しそうに笑った。


そんな未知の笑顔を見る度に僕の胸は高鳴った。



未知が浴衣を着ているからなのか…。


初めてデートをした時のように。


僕はドキドキしていた。




たくさんの出店が並ぶなか 未知が急に足を止めた。


「りんご飴…」


「欲しいの?」


「うん!」


未知は子供みたいに大きく頷いた。



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