この世界で君を愛す
その後も未知は出店を次から次へと見て回り おもちゃの指輪だったり…吹くとピロローとなる変な笛だったり…怪しい光を放つ腕輪だったり…そんなの普段使わないだろう?という物まで買わされてしまった。


極めつけは射的だった。


「渉 あれ取って!」


未知が指をさす先には お世辞にもかわいいとは言えないような犬らしきぬいぐるみがあった。


「なんでよりによってアレなの?」


「かわいくないところがかわいいの」


意味のわからない未知の主張を受けて 僕は渋々銃を構えた。


そして銃口を例の生き物に向けた。


大袈裟な言い方だけど…。
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