この世界で君を愛す
弾は5発あった。


射的の苦手な僕はことごとく外しまくった。


4発目…。


「はい 残念!あと一発ね」

頭にタオルを巻いた出店のおじさんがタバコをふかしながら言った。



これで最後か…。



「渉 頑張って!」


未知の声援を背中に受けながら 僕は最後の一発に望みをかけた。


これまた大袈裟な言い方だけど。



コン!



僕の撃った弾は狙った物の上の景品に当たった後 跳ね返されて下に落ちた。


しかしその時 幸運の女神は僕に微笑んだ。


…やっぱり大袈裟。



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