この世界で君を愛す
その後 僕達は並んでソファーに座りテレビを見た。


少しボリュームを下げたテレビから 時々笑い声が聞こえていた。


未知が大きなあくびをしたので 僕達は眠ることにした。




ベッドに入ると 僕達はいつものように手を繋いで眠った。


しばらくすると未知は静かな寝息をたて始めたが 僕はなんとなく眠れずにいた。


僕はそっと未知の手を放し そのほっぺたにキスをすると ベッドを抜け出してリビングに行った。


冷蔵庫からミネラルウォーターを出してグラスに注ぐ。


流れる水は暗闇の中で光って見えた。


僕はそれを一気に飲み干すとグラスを乱暴に置いた。



「……うっ…」


僕の目から涙が流れた。



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