この世界で君を愛す
拓也君は奥の部屋から野球のグローブを持ってきた。


「正木お兄ちゃん。この前はプレゼントありがとう!」


正木はニッと笑うと 拓也君の頭に大きな手を乗せた。


「どういたしまして。気に入ってもらえて俺も嬉しいよ」


拓也君はちょっともじもじしながら言った。


「あのぅ…お兄ちゃん?えっとね…?」


「ん?どうした?」


正木は拓也君の顔を覗き込んだ。


「あのね…僕にキャッチボール教えてくれる?」


「キャッチボール?もちろんいいよ。よし!さっそくやろう」


「本当!?じゃあ早く外に行こうよ!」


拓也君が正木の腕を引っ張って 二人は外に出て行った。



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