この世界で君を愛す
真奈美さんの家からの車中 正木が口を開いた。


「上田さん…大丈夫ですか?さっきの手紙…」


「うん。大丈夫だよ。今日は来て良かったよ。正木 ありがとな」


「うっ上田さーん!」


正木は半べそだ。


「泣くなよ。あの手紙を読んでさ。大切な事を思い出したんだ。今の毎日が楽しすぎて 僕は見失なってたんだ」


「大切な事ってなんですか…?」


「お前にはもったいなくて教えられないよ」


「なんすか それ」


正木はふくれている。

泣いたり怒ったり忙しい奴だな。

でも正木は人の気持ちがわかる奴だ。

僕がいない間…未知を支えてくれたのは正木だ。

「正木…お前には本当に感謝してるよ。また僕がいなくなったら その時は未知を見守ってやってくれ」


「そっそんな…。今すぐにいなくなるような事言わないでくださいよ」


正木はまた半べそだ。

全く忙しい…。



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