この世界で君を愛す
「僕は漂っていたんだ。身体はなくて 多分僕の意識がね。僕はだんだんと大気に溶けていく感じがした」
「大気に…溶ける…?」
「うん。大気と一体になるにつれて 僕の意識は薄れていったんだ。でも怖いとか…そういった感じではなかったよ。そして声がしたんだ」
「声?」
「あなたは全てになる…そう聞こえた。神様なのかどうなのかはわからないけど。だから怖くはなかったよ。僕は安心して眠ろうとしたんだ。そしたら…未知の声が聞こえた」
「私の声が…」
「うん。未知は僕を呼んでた。すごく…悲しい…声だった。そして…突然死んだ僕をかわいそうだって泣いてたんだ」
部屋の中は静まり返り まるで深海のようなこの空間にチョコの寝息だけが聞こえた。
もし赤の他人がこの話を聞いたら 信じられないだろう。
でも目の前に渉がいることは真実なのだから。
渉が事故で死んだのも…真実なのだから。
「大気に…溶ける…?」
「うん。大気と一体になるにつれて 僕の意識は薄れていったんだ。でも怖いとか…そういった感じではなかったよ。そして声がしたんだ」
「声?」
「あなたは全てになる…そう聞こえた。神様なのかどうなのかはわからないけど。だから怖くはなかったよ。僕は安心して眠ろうとしたんだ。そしたら…未知の声が聞こえた」
「私の声が…」
「うん。未知は僕を呼んでた。すごく…悲しい…声だった。そして…突然死んだ僕をかわいそうだって泣いてたんだ」
部屋の中は静まり返り まるで深海のようなこの空間にチョコの寝息だけが聞こえた。
もし赤の他人がこの話を聞いたら 信じられないだろう。
でも目の前に渉がいることは真実なのだから。
渉が事故で死んだのも…真実なのだから。