この世界で君を愛す
私は両手で渉の胸をドンッと突き飛ばした。


「わかんない!渉のわからずや!」


「わからずやなのはどっちだよ!未知でしょう!」


「そうだよ!全然わかんないもの!渉の…大バカ!!」




私は大声を出すと アパートを飛び出した。


階段を降りたところで一旦立ち止まるが 渉が追いかけて来る様子はない。




けんか…しちゃった…。



渉の事 バカって言って飛び出してきちゃった。



渉がどうしてダメって言ったのか 本当はわかってたけど。



私はどうしても…わがままでも…本当の結婚式じゃなくても…渉のお嫁さんになりたかった。



それだけだったのに…。



最高の思い出が欲しかった。



ただ…それだけ。



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