この世界で君を愛す
「でもね 未知さん。渉との想い出が強いほど 後で辛くなるかもしれないのよ?あなたがいつか新しい恋をする時に障害になるかもしれない。」


諭すように言うお姉さんに 私は自分の気持ちをぶつけた。


「でも…渉は今ここにいる。ちゃんと触れることができる。今でも変わらず私は渉を好きです。だから…今の自分の気持ちを大事にしたい。そうしなければ きっと後悔する。後悔しながら前向きに生きるなんてできないと思うんです。後で辛くなったとしても…後悔だけはしたくないから。」


「未知さん…。」


「だからお姉さん。お願い…します。」


私は頭を下げた。


「本当にあとで辛くなっても耐えられる?」


「はい。」


「また渉がいなくなったら…ちゃんと自分の人生を歩くって…幸せになる努力をするって…誓える?」


「はい。」



お姉さんは深く溜め息をついて前髪をかき上げた。


「わかった…。未知さんに協力する。」


「お姉さん!」



「私にまかせなさい」と言って微笑んだお姉さんの瞳に迷いはなかった。



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