この世界で君を愛す
私と正木君と渉のお姉さんの三人は ちょっとした相談をしながらアパートに向かった。


相談というよりは お姉さんの提案を聞いていたという感じだ。


部屋のドアを目の前にすると お姉さんは「大丈夫よ」と言って片目を閉じた。



渉が私の願いを聞いてくれますように…。



そう祈りながら ドアノブに手をかけた。




「た…ただいまー。」


なんとなく気まずい思いがあり そっと部屋に入ると 渉は音を出さずにボーッとTVを見ていた。


渉はゆっくり振り返ると驚いた顔をした。


「あぁ…お帰り未知。って姉さん!?」


「姉さん!?じゃないわよ!渉…あんた未知さんとケンカしたんですって?」

お姉さんは渉の前で仁王立ちになった。


「いや…ケンカってわけじゃ…。」


「かわいそうに…未知さん泣いてたわよ。こんなに目を腫らして。」



泣いてはいなかったけど…。



あえて口には出さず お姉さんに任せることにした。



お願いします!


お姉さん!



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