この世界で君を愛す
電車の中は意外に空いていた。


僕は入ってすぐの座席に座ると 流れる景色を眺めた。




未知の父親は 僕を試している。


以前行った店を僕がわかるかどうか試しているんだ。


試すということは…僕にその価値があると思ってくれているのだろう。



通り過ぎる明かりが 小さな希望の光に見えた。


僕は目を閉じると…目的の駅に着くのを静かに待った。



< 238 / 310 >

この作品をシェア

pagetop