この世界で君を愛す
僕は率直に聞いてみた。


「お父さん…今日は何故僕を呼んだんですか?」


「何故だと思う?」


「僕を試した…んですよね?」


父親は苦笑いをした。


「その通りだよ。君が本当に渉君なのか 試してみる価値があると思ったんだ。」



やっぱり 思った通りだった。



「君が…。この前言った言葉…。それを聞いて もしかしたらと思ってね。」


「それは…お父さんとした約束の事ですね…。」


父親は何も言わずに頷いた。




僕が未知との結婚を許してもらった時に この店でお父さんとした約束。


忘れもしない。


それは…。


僕が…守れなかった約束だった。



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