この世界で君を愛す
そして次の日。


目覚まし時計が鳴ったのは 真夜中の3時。


隣の部屋に迷惑がかからないようにアラームを止めると 私達はベッドを抜け出した。


出掛ける支度は昨日のうちにしてあったので 着替えをして顔を洗うと 30分程でアパートを出た。


渉は寝癖のついた髪をなでながら大きなあくびをすると 車を走らせた。



「大きな口!緊張感…まるで無いね。」


私が笑うと 渉も前を見たまま笑った。


「未知だって前髪ボサボサじゃない。」


「いいの。式場についたらキレイにしてもらうんだから。」


「楽しみにしてるよ。」


「キレイ過ぎてびっくりしないでよ?」




外は真っ暗闇。


でも私達の心は…。


ほんのり明るくて 暖かかった。




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