この世界で君を愛す
時間が時間なので 道路を走っている車は少なく 4時には式場に着いた。


車を駐車場に入れるとすぐ 真奈美さんが迎えに出てきた。


「本日はおめでとうございます!渉さん!未知さん!」


黒のパンツスーツを着た真奈美さんは 以前ここで会った時と変わらなかった。


「真奈美さん。今日は本当に…。」


御礼を言おうとした私の言葉を遮ると 真奈美さんはニッコリと笑った。


「御礼なんていいですよ。それより…時間がありません。式が始まるまで2時間しかないんですから。今から急ピッチで支度をします。さぁ 早く!」


「はいっ!」



式場のスタッフとして働いている真奈美さんは テキパキとして素敵だった。


颯爽と歩く真奈美さんの後について 私と渉は式場の中へ入っていった。



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