この世界で君を愛す
「未知 目が覚めた?大丈夫?」


私の視線に気付いた渉が ベッドに腰を下ろした。




「渉…キレイだね。」




渉は私の言葉に驚いた顔をした。


「キレイって…雪のこと?それとも…まさか僕が?」


「…うん。」


「ちょっと 大丈夫?熱のせいでおかしくなったんじゃない?」


私の額に触れた渉の手は…いつもより冷たかった。


「渉…。冷たくて気持ちいいから もうちょっとこうしててね…?」


「うん。未知の熱が下がるまでこうしてるから大丈夫だよ。」


「渉が優しくしてくれるから 熱が下がらないほうがいいかもね。」


「何言ってるの。」


渉は笑うと私の頬にキスをした。


そのくちびるも いつもよりも少し冷たくて…。



私は渉のシャツの裾を掴みながら また眠った。






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