この世界で君を愛す
「でも…どうして急に?」


僕が聞くと 正木はちょっと頬を赤らめた。


まるで恋する乙女だよ…。


「真奈美さんと拓也君を連れて行くって約束したんです。拓也君がかまくらを作ってみたいって言うから。俺の故郷なら かまくら作っても余るくらいの雪がありますから!」


「そんなチャンスに僕が行ってもいいわけ?」


「もちろんです!いや!むしろ来て下さい!みんなで行ったほうが 真奈美さんも気を使わずにすむと思うんですよ。未知さんも一緒に!」



以前旅行のパンフレットを見ていた時 未知は北海道に行きたがってたなぁ。


本当に行けると知ったら 未知は喜ぶかもな。



「わかった。いいよ。」


「本当ですか!?」


正木は今にも踊り出しそうなほど喜んでいる。



「それで…正木の実家に泊まるの?」


「いえ。真奈美さんを実家に連れていったら 母親が早とちりしちゃいますから。だから今回はホテルに泊まります。上田さんと未知さんの分も もう予約してありますから。」


早い…。



< 276 / 310 >

この作品をシェア

pagetop