この世界で君を愛す
「雪がとけたら水になってーそれからすいじょうきになるんだよ!僕小学校で習ったの。」


僕達の会話を聞いていたのか 後ろに拓也君がニコニコして立っていた。


「すごいねー拓也君!」


未知が拓也君の頭を撫でた。





「そうだよね…。雪だるまは溶けても消えてなくなるわけじゃないんだよね?形を変えるだけ…。目には見えないけど 蒸発して空気に溶けて…。この地球上のどこかにいるんだから。そうだよね?」


そう言うと未知は 僕の目をじっと見つめた。




僕は胸がいっぱいになって 頷くことしかできなかった。



そうだよ…。



僕は未知と手を繋ぐと立ち上がった。



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