この世界で君を愛す
「あれ?照れてるの?意外とかわいいんだね 未知は。」


「今頃知ったの?」


「あはは!そんなに照れなくていいじゃない。」



私は布団から目だけを出して 渉を睨んだ。


渉は そんな私の額にくちびるを押し当てた。


「ねぇ 未知。大人になるまでお互いの存在さえも知らなかった僕達が 今こうやっているのって不思議だね。誰かを好きになるってことは…ある意味奇跡に近いよね。」


「…うん。」


「未知は…僕にとって たった一人の…運命の女性だよ。僕は未知に出会えた奇跡に感謝してるんだ。」



渉…。


私は泣きそうになるのを ぐっとこらえた。


「私も…この奇跡に感謝してるよ?渉に出会って 一緒に過ごせた事は宝物だからね?」


「宝物か…。僕を好きになってくれてありがとう。」



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