この世界で君を愛す
私こそありがとうなのに…。


ダメだ…。


このままじゃ泣いちゃうよ…。




「未知。約束した事覚えてるね?」


「覚えてる。」




自分の人生を歩いていくこと。


ちゃんと覚えてるよ。




「僕は未知のそばで見守ってるんだから。未知がちゃんとやってるかどうか すぐわかるんだからね~?」


「はいはい。わかってるよ。いつか新しい恋をしてもヤキモチやかないでよ…?」


「僕がヤキモチも妬けないくらい いい男じゃないと許さないけどね。」


渉がおどけて言った。


「あはは!それは難しいかもね。」


「未知なら大丈夫だよ。」


「まあね!」




ふざけていても…渉の目は優しくて…。


その渉の瞳には 一年前よりも強くなった私が映っていた。




私は渉のおかげで少し強くなれたよ。


だから…。


心配しなくてもいいからね…渉。




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