この世界で君を愛す
そして おはようのキスをするのもいつも通り。


コーヒーはブラックなのもいつも通り。


トーストの小さなかけらをもらうために しっぽをパタパタ振って待つチョコの姿もいつも通りだった。



窓を開けると いい香のする爽やかな風が吹きこんできた。


空は青く澄んで 綿菓子のような雲がぽっかりと浮かんでいる。




私は空気を胸いっぱいに吸い込むと 振り返って渉に言った。



「渉!今日は最高のお花見日和だよ!」


「そうだね。最高だ!」



渉は私に向かって親指を立てると明るい笑顔を見せた。



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