この世界で君を愛す
渉はタバコをおいしそうに吸った。


私は 私の好きな渉の手と横顔を見つめた。


私の大好きな渉を…そっと見つめた。



渉はタバコを灰皿に押し付けると 私がプレゼントしたライターを胸ポケットに入れた。


「じゃあ 行こうか。」




今日 チョコはお留守番。


渉はチョコを抱き上げると 耳元で何か言った。


「チョコと何を話したの?」


私が聞くと渉は「男同士の話だから内緒」と言って チョコの頭を撫でた。



きっと…。


「未知をよろしく」


そう言ったに違いない。




「クゥ~ン」



チョコが寂しそうに鳴いた。





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