この世界で君を愛す
ポカポカした日差しの下 車を走らせ「桜通り」を目指した。



私達のお気に入りの場所。


渉が事故に合った場所。


再び渉に会えた場所。


そして…これから渉が還る場所。




車を降りると 私達は手を繋いだ。


「わぁ…キレイ!」


「すごく…キレイだね。」



そこには満開の桜が私達を待っていた。



今年も来ることを知っていたかのように 枝を広げて 私達を待っていた。



「今まで見た中で…今日の桜が1番キレイ…。」


「うん…。僕は感動で涙が出そうだよ。」


「私も…。」



薄いピンクの花びらは…そよ風とともに私と渉の心をそっとかすめていった。



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