この世界で君を愛す
トンネルの中ほどまで歩いたところで突風がきた。



「きゃ…!」



私は閉じた目を恐る恐る開けた。



あの時と同じように 風に吹かれた花びらがハラハラと舞い降りている。



私はハッと後ろを振り向いた。





そこにはもう…渉の姿はなく…桜の花びらが舞っているだけだった。





-ハラハラ-





-ハラハラ…-





桜の雨が降っていた…。







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