この世界で君を愛す
「あっ…!」


私はその写真を見て驚いた。



「写ってる…!」



「変な事を言うねぇ。写真なんだから写ってて当たり前じゃないのかい?」



「だって…だって渉が写ってるんです!」



一度止まった涙が 再び溢れ出した。


ポロポロとこぼれて頬を伝った。




渉が写ってる…。


写らないかもしれないと思って記念撮影はしなかったのに。


ちゃんと写ってるよ…?




写真の中で 私と渉が幸せそうに笑っていた。





「泣くほど嬉しいのかい?」


おじさんは不思議そうに私を見ている。


「はい…嬉しいです。とっても!」


「ふうん…まあ いいや。お嬢さんにその写真あげるよ。」


「えっ? いいんですか?」


「おじさんが持っててもしょうがないからね。」


「ありがとうございます!」



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