この世界で君を愛す
「いやいや。それじゃお幸せにね。」


そう言うとおじさんは去って行った。





ねぇ 渉?


この写真一枚くらい…大切に持っててもいいでしょう?


だって 渉との思い出は 私の宝物なんだから。


これから先…渉以上の人に出会ったとしても…。


渉と過ごした日々は宝物なんだから。


だから…いいよね?





桜の木がサワサワと揺れた。


「しょうがないなぁ。特別だよ?」


そんな渉の声が 聞こえたような気がした。






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