この世界で君を愛す
エピローグ
『…というわけだから…よろしく頼むね。』


「はい!ありがとうございます!」



私は御礼を言うと携帯を閉じた。


胸がドキドキする。


以前翻訳した子供向けの物語がシリーズ化されることになり、引き続き私が任されたのだ。


「今の聞いた?すごいでしょう。」


私は棚の上の写真たてを見た。


青空の下で笑ってる二人の写真と ウエディングドレスとタキシードを着た二人の写真。



渉がいなくなってさらに一年が過ぎ…今では写真を見ても胸が痛むことはなくなった。


胸が温かくなるのだ。



こんなにいい事がおこるなんて…渉が見守っていてくれるからだろう。


「ありがとう。」


笑顔の渉に言った。




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