この世界で君を愛す
―ハラハラ−



―ハラハラ−



―ハラハラ………−




微かな音をたてて 桜の花がまるで雨のように降り注いでいた。



私の髪に…肩に…足先に…。



それは 降り積もる。




その中に 背の高い人影が見えた。



そのシルエットは…見間違うはずもない…。




「わ…たる…?」




「やぁ。未知」




渉が私の名前を呼んだ。






< 31 / 310 >

この作品をシェア

pagetop