この世界で君を愛す
長くて涙の味がするキス。


くちびるが離れると 渉はニコッと笑った。


「少し歩こうか」


「う…うん」


渉が自然に笑うので 私も当たり前のように渉の腕につかまった。



桜のトンネル…。


このトンネルを抜けたら夢から覚めてしまう気がした。


「ねぇ…渉?もしこれが夢なら…覚める時は私も連れて行ってね?」


渉は何も答えず ただ歩き続ける。




そして…ついにピンク色のトンネルを抜けた。



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