この世界で君を愛す
「家に帰ろう…?」


私は渉の手を握った。


影がなくたって…例え幽霊だって…今私が掴んだのは紛れもない渉の大きな手。


「うん。帰ろう」


渉は手にギュッと力を入れて 私の手を握り返した。

そして私より大きな歩幅で引っ張ってくれる。





何も変わらないよ。





渉は…渉だよ。





そうだよね?





渉…。




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