この世界で君を愛す
「未知さん!大丈夫ですか?さっき男の声がしたから もしや悪い男にでもひどい目に合わされてるんじゃないかと思って!」


「はぁ?何それ?悪い男って…」


「さっきの声からすると…俺の予想ではかなり悪どい奴ですよ!」


「そ…そう?」


私が必死で笑いを堪えているのに気付かず 正木君は話を続けた。


「悪徳商法にでもひっかっかたら大変ですから!そんな時はすぐ俺を呼んでくださいよ!…あれ?でも…俺なんで倒れたんだろう?」


「正木君。あのね…」


その時 部屋のドアが開いて渉が顔を出した。


「あれ?正木。起きた?」


正木君は目を大きく見開いたまま 口をパクパク動かした。


そして小さなかすれた声で言った。


「う…上田…さん?」


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