この世界で君を愛す
その後は私達三人での 恒例の宴が始まった。

渉と正木君はビールを飲み 私はサワーを飲んだ。

「今日は飲みましょう!」

正木君がそう言って 猛スピードで買ってきたお酒はあっという間になくなり 部屋の中は男性二人のタバコで白く煙った。

酔い潰れた正木君に毛布をかけながら 渉は苦笑した。

「本当に今日はよく寝る奴だよ」

「渉に会えて嬉しかったんだよ。こんなにはしゃいだ正木君は久しぶりに見た」


私もそうだけど…。

でもその言葉は言わずに飲み込んだ。



「未知。正木の足を見てみなよ」


渉がそっと毛布をめくると 4の字になった正木君の足があった。


「あ…本当だ!」

「ね?」


私達は目を見合わせて笑うと 正木君が起きないように静かに毛布を掛け直した。




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