この世界で君を愛す
リビングに行くと 正木が座って待っていた。


「おはようございます!早く食べましょうよ。俺腹減っちゃって」


「なんだよ正木。朝御飯まで食べる気なの?」


「いやー。そんなつれない事言わないでくださいよ。未知さんが俺の分も作ってくれたっていうし」

正木は頭をかきながら笑った。


未知を見ると またやってるよ という顔でクスクス笑っている。



そうだ。

僕と未知の部屋に正木が遊びにきて…こんな風なやりとりはいつもの事だった。


正木も同じ事を思ったのか 涙ぐんでいる。

「上田さん…俺…嬉しいっす。またこんな風に上田さんにいじめられる日がくるなんて」


僕は胸がじーんとしたが わざとからかった。

「正木…Mだな」

「うん。やっぱりMだね」

隣で未知も頷いている。


一瞬キョトンとした正木が顔を間真っ赤にした。

「なっなんすか!えっMって…俺は違いますよ!」

正木は腕をブンブン振って否定していたが僕と未知は構わず食べ始めた。


相変わらず…正木は面白い。




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