この世界で君を愛す
朝食が終わるとコーヒーを飲みながら正木がにやけた顔で言った。


「実は俺…今日デートなんすよ。この前合コンで知り合った子なんですけど。清楚な感じで…これがまたすごくかわいいんですけどねー」


「そうなの?まあ 頑張れよ。フラれたら残念会を開いてやるよ」


「ふっふっふ…。そう言っていられるのも今のうちですよ。今回は上手くいく気がするんですよね」


正木は根拠のない自信に満ちた笑顔を見せると帰って行った。


未知はクスクスと笑いながら僕に言った。


「なんか正木君…生き生きしてるね」


「デートだからじゃない?」


「違うよ。渉がいるからだよ」


「そうか。じゃあ僕も少しは役に立ってるのかな」


「そういうこと」


窓を開けて振り返った未知に僕は言った。


「それじゃあ 僕達もデートしますか」


「うん」


微笑んだ未知の髪が 太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。




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